予防接種(ワクチン)は、人類が長い時間をかけて、命に関わったり、重大な障害を残す感染症を防ぐことに成功した画期的な方法です。江戸時代前後には、結核、麻疹やインフルエンザなどで沢山の人命が失われていたのです。
自分のためだけでなく、家族や身の回りの人に病気を広めないために、予防接種を受けましょう。
平成25年は風疹の記録的な大流行がありました。患者の7割以上は男性で、うち20代~40代が約8割を占めました。しかし一方、20~40代の女性の3.9%が風疹への抗体を持っておらず、14.0%では感染予防には不十分である低い抗体価であると言われており、妊娠前のワクチン接種が必要です。
風疹の抗体を持たない、又は低い抗体価の妊娠中の女性が風疹にかかると、母体を通じて胎児がウイルスに感染し、生まれてくる赤ちゃんに「耳が聞こえにくい」、「目が見えにくい」、「生まれつき心臓に病気がある」、「精神や身体の発達が遅い」などの障害(先天性風疹症候群)が生じるおそれがあるためです。
麻疹も風疹と同様、妊娠中には注意が必要です。妊娠中に麻疹にかかっても、胎児の奇形が増加することはありませんが、麻疹にかかったことがなく、ワクチン接種もしていない女性が、妊娠中に麻疹にかかった場合、陣痛促進剤を投与した時のように、強い子宮の収縮を起こすことがあります。
妊娠初期で麻疹にかかると31%が流産するほか、中期以降でも9%が流・死産、24%が早産すると報告されています。
現在は幼児期に風疹・麻疹の混合ワクチン(MRワクチン)が定期接種化されていますが、1978年前後にうまれた人のワクチン接種率が低いことがわかっており、注意が必要です。
風疹と麻疹のワクチンは妊娠中接種できないため、妊娠する前に予防接種を受けておくことが重要です。妊娠中の予防接種は避け、予防接種を受けてから約2か月は、妊娠を避けるようにしてください。産後は、授乳中でも風疹の予防接種を受けることができます。
毎年空気が乾燥する冬に流行するため、10月頃から接種を開始します。特に妊婦さんがかかると重症化しやすいため、妊婦への予防接種はむしろ推奨されています。当院では、安全性を考慮して保存剤無添加(チメロサールフリー)のプレフィルドタイプを採用しています。
因果関係がはっきりしない痛みや脱力といった副作用について、ニュースでも話題になりましたが、子宮頸がんワクチン特有の副作用というよりは予防接種全般にあり得る副作用であるという見解が採用されつつあります。
思春期の女子に接種することが多いため、恐怖心や迷走神経反射を起こさないよう、注意深く接種することが必要です。全部で3回接種が必要です。
母子感染によって既にキャリアである人が少なからずいる病気です。
ワクチンで防げる唯一の肝炎です。他人の血液や体液に触れることがある医療従事者や、介護従事者は必ず受けましょう。現在日本では、母子感染を防ぐため、B型肝炎ウイルスをもつ母親から産まれた赤ちゃんには全例、合計3回、ワクチンを接種しています。
03-6447-7265
Web予約初診の方は、事前にWeb問診票をご入力のうえご来院いただくと迅速にご案内できます。